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体操年代別優勝→自転車転向→国籍変更→世界最速記録樹立 イギリスの怪物が日本の競輪参戦に与える衝撃 (5ページ目)

  • text by Sportiva

 日本の競輪用自転車は国際大会で使用する自転車とは違う。そのため事前に日本国内で数日間の練習を行ない、感触を確かめている。そのなかでリチャードソンは「競技用のカーボンバイクで出している力を競輪用の自転車で出してしまうと、パワーが強すぎて、自転車がブレてしまう可能性がある。それが体力の消耗につながると感じたので、徐々に加速していく必要があると思っている」とすでにイメージもできている。そんな学習能力、変化への順応力もリチャードソンの長所のひとつだ。

日本での練習風景。他を圧倒するスピードを見せた日本での練習風景。他を圧倒するスピードを見せたこの記事に関連する写真を見る 貪欲に強さを追い求める彼の視線の先には、どうしても達成したい目標がある。

「ロサンゼルス五輪では(スプリント、ケイリン、チームスプリントの)3つの金メダルを獲りたいと思っています。オーストラリアでオリンピックが開催される頃(2032年・ブリスベン)には自分のピークは過ぎてしまっていると思うので、ロスで目標を叶えたいですね」

 そのためにも日本の競輪参戦は実力アップの絶好の機会と捉えている。

「日本の競輪への参戦はUCI(国際自転車競技連合主催)の国際大会で役立つと思うので、できるだけいろんなスキルを得て、多くのことを経験したいです」

 リチャードソンの最初の出走予定は、6月26日から3日間、福岡県の小倉競輪場で開催されるレースとなる。

 これまでも多くの人々に大胆な決断や行動で驚きを与えてきたリチャードソン。その結果たどり着いた世界最高のスピードは一見の価値がある。競輪ワールドシリーズでもそのダイナミックな走りをきっと披露してくれるはずだ。競輪ファンのみならず、多くのスポーツファンには、この貴重な機会を絶対に見逃してほしくない。

【Profile】
マシュー・リチャードソン
1999年4月17日生まれ。イギリスで生まれ9歳の時にオーストラリア・パースに移住。体操選手として注目されていたが、14歳で自転車競技に転向。すぐに頭角を表し、2020年の世界選手権でチームスプリント銅メダルを獲得。東京オリンピックでは3種目に出場し、2022年の世界選手権でスプリント銀メダル、チームスプリント金メダルを手にした。2024年にパリオリンピックでスプリント銀メダル、ケイリン銀メダル、チームスプリント銅メダルを獲得すると、その直後にイギリスに国籍を変更した。2025年8月には200mFTTで8.857秒の世界記録を樹立した。

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