寺崎浩平のオールスター競輪でのGⅠ初優勝で見えた固い絆 2着・古性優作の「悔しいけどうれしい」の真意と競輪の深淵とは (4ページ目)
古性(右端)、脇本らに胴上げされる寺崎 photo by Takahashi Manabuこの記事に関連する写真を見る
初戴冠となった寺崎は「素直にうれしい」と話すとともに、「しっかりと近畿の先頭でやってきたことが実を結んだ」と喜びをにじませた。そして今回、とくに優勝への道を整えてくれた脇本について「脇本さんは自力でタイトルを何度も獲っていますので、僕もそれに続きたいですし、脇本さんの前を走れるような脚力をつけたいです」と大先輩への尊敬と目標を語った。
競輪はスピードを競う競技だが、純粋にタイムを目指して順位を争う陸上のトラック競技や中長距離種目、競泳とは趣が違う。負けたレース直後に「悔しいけどうれしい」という一見矛盾するようなコメントは、なかなか聞かれないのではないだろうか。
競輪は長年同じ地域で切磋琢磨してきた仲間がいて、幾度となく競い合ってきた選手がいる。そんな彼らは競輪界をともに盛り上げてきた同士でもある。個人競技というブレない大前提を持ちつつも、先輩、後輩、同地域などの関係性から生まれたさまざまな思いを重ねて紡がれた絆のもとに、連係して勝利を目指している。
今回の決勝はその独特の深みと面白みが色濃く反映されたレースだったのではないだろうか。
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