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【F1】角田裕毅「予選19位」という結果に、レッドブル代表が批判覚悟でドライバーを守った理由

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

F1第22戦ラスベガスGPレビュー(前編)

 ラスベガスに降った異例の雨は、角田裕毅(レッドブル)にとって恵みの雨とはならなかった。乾いたオアシスを潤すどころか、肥沃な土のすべてを洗い流してしまった。

「タイヤがまったく機能しなくて、ビックリするくらい滑って、文字どおり氷の上を走っているような状態でした。何が起きたのかはわかりませんけど、間違いなく何かが欠けていたんだと思います。タイヤセットが何かおかしかったのか、すごく変な感じでした」

FP1で3番手のタイムを出した角田裕毅が一転して予選19位 photo by BOOZYFP1で3番手のタイムを出した角田裕毅が一転して予選19位 photo by BOOZYこの記事に関連する写真を見る 予選セッション後、角田のマシンに履かせたウェットタイヤの内圧設定にミスがあったことがわかり、ローラン・メキース代表は「すべての責任は我々チームの側にある、あってはならないことが起きてしまった」と角田に謝罪した。

「ほんのわずかな差とかではなくて、ウインドウ(適正範囲)から大幅に外れていましたし、コンペティティブ(競争的)な走りができるような状況ではありませんでした。どうしてこんな基本的なことにミスが起きたのか、避けられたミスだったと思いますし、しっかりと原因を分析する必要があります」

 タイヤの内圧は、ピレリが「最低内圧」を指定しており、それよりも低い内圧に設定することは許されていない。マシンに装着するタイヤはすべてFIAやピレリのスタッフによって内圧が測定されるため、これを下回っていたという可能性はない。

 考えられるとすれば、内圧を高く設定してしまった可能性だ。

 タイヤウォーマーを使用して70度に熱した状態で使うドライタイヤや60度のインターミディエイトタイヤとは違い、タイヤウォーマーを使用しないウェットタイヤには比較的低い内圧が指定されている。走行によりタイヤ温度とともに内圧も上がるため、最終的には同じような内圧に至ることになるからだ。

 もしインターミディエイトタイヤ用の内圧を設定してしまったとすれば、規定の最低内圧に違反することはなく、本来よりも大幅に高い内圧で走ることになる。今回の場合はフロントが24.0psiのはずが29.0psi、リアは21.0psiのはずが26.5psiという大きな差だ。

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著者プロフィール

  • 米家峰起

    米家峰起 (よねや・みねおき)

    F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

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