寺崎浩平のオールスター競輪でのGⅠ初優勝で見えた固い絆 2着・古性優作の「悔しいけどうれしい」の真意と競輪の深淵とは (3ページ目)
脇本(紫・9番車)、寺崎(橙・7番車)、古性(白・1番車)、南(青・4番車)の並びで最終周回へ photo by Takahashi Manabuこの記事に関連する写真を見る 最終周回のバックストレッチで力尽きるように脇本のスピードが落ちると、あとは後続の寺崎、古性、南、そして猛烈な勢いで駆け上がってきた吉田との勝負となる。それでも寺崎のスピードは落ちず、そのまま先頭でゴール線を通過。その直後、観客に向かって右手を二度突き上げた。
結果的に近畿勢は一度も先頭を譲ることなく、2着に古性、3着に南と確定板に3選手の名前が表示された。見事な連係での勝利だった。
脇本(右)に祝福される寺崎(左) photo by Takahashi Manabuこの記事に関連する写真を見る
【競輪の深淵】
近畿勢を引っ張り9着となった脇本は「(古性が)前を取ってくれたのでやりやすかった。(太田)海也の動きがわからなかったので、ペースを落とすわけにはいかなかった」と振り返るとともに、「できる限りのことはやった」と安堵の表情を見せた。
ケガを抱えていた古性は、本来であれば欠場していたところ。しかしファン投票1位での選出に気持ちを奮い立たせ、その期待に応えるべく出場を決断。それゆえ、この好結果には仲間の存在を改めて感じた様子で、「本当に(近畿勢の)ラインのおかげ」と何度も口にした。
寺崎の優勝についても「一番タイトルを獲ってほしい選手。コツコツと頑張ってきた選手だし、優勝したのが寺崎なら、みんな文句はないと思う」と語った。最後に「(この優勝に)感じるものがあった。清々しい」と言葉を残し、寺崎の胴上げに向かった。
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