「君は何人?」からのナショナルチーム入り ガールズケイリン太田りゆが東京五輪スタンド観戦の悔しさを忘れないための写真とは (4ページ目)

  • 加藤康博●文 text by Kato Yasuhiro

【2024年は太田の年】

 夢にまで見たパリ五輪への出場権をかけた戦いは、いよいよ大詰めを迎えている。

「まずはしっかり出場権を獲得することが今の目標です。そして絶対にメダルを獲るという強い意志と走りをパリでできるようにしたいと考えています。そして今、講演などに呼ばれると、オリンピックを目指す話が中心ですが、出ることでまた自分に話せるテーマが生まれます。

 この先、自転車競技をやめる時がきても、自立した女性として生きていけるように、将来を見据えながら、目の前の目標に向かって一生懸命に頑張りたいと思っています」

 "りゆ"という名前は、"龍"から取ったという。辰年にあたる2024年は、まさに太田の年だ。3年前の悔しさを経て、どこまで高みに登ることができるか。それは誰よりも太田自身が一番楽しみにしている。

【Profile】
太田りゆ(おおた・りゆ)
1994年8月17日生まれ、埼玉県出身。中学・高校と陸上競技の中距離選手として活躍し、大学時に競輪学校の試験を受けて合格。2016年に入学すると在学中にナショナルチームから声がかかり、2017年2月のアジア選手権大会のチームスプリントに出場し3位となる。その後も数々の国際大会に出場して結果を残し、2022年、2023年のアジア選手権女子スプリントで連覇を達成した。ガールズケイリンでも活躍し、いくつかのビッグレースで決勝を走るなど、屈指の実力を誇っている。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る