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<アスリート医学生対談>「勉強よりマウンドのほうが100倍プレッシャー」「私は柔道より勉強が...」元DeNA・寺田光輝と柔道家・朝比奈沙羅が語り合う! (2ページ目)

  • 門脇正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori
  • 田中 亘●撮影 photo by Tanaka Wataru

【努力の日々の先に見る夢とは】

ーーCBTやOSCEの先には、病院での実習、国家試験と続きます。勉強が続いていきますが、入学前と現時点でギャップはありますか?

朝比奈 医師国家試験を通らないと医師の仕事には就けないので、必要な努力だと思っています。もうドロップアウトしちゃいたいということは今のところはないですね。あと自分は周りの目をけっこう気にしがちなほうで、医学部に入ったことでいろいろと記事にしていただいたりして、ある種、「公人」の立場だなと思っています。ここで投げ出したら、自分に憧れていると言ってくれている人たちにメンツが立たないですからね。

寺田 自分は朝比奈さんがやめたら、折れちゃうかもしれないです。

朝比奈 普段は「ああ、無理」とか「うち、絶対に医師になれない」とか、泣きごとは言ったりしてますけど、やらなきゃいけないから、やるしかないって感じです。

この記事に関連する写真を見るーー今回、記事になることで、自分にまたプレッシャーをかけていく感じですかね?

朝比奈 そうですね(笑)。基本そうやって自分にプレッシャーをかけて生きてきたんで。表で言っちゃって、それに対する結果を出してという流れです。

寺田 やめられたら僕のほうが折れちゃうんで、「朝比奈さん、頼むで!」って感じですよ。

この記事に関連する写真を見る朝比奈 これでまた投げ出せなくなっちゃいましたね(笑)。

ーー将来、医師になった時には、やっぱりスポーツにからんだ分野の医療に関わりたいんでしょうか? それともそれ以外の分野も視野に入れていますか?

朝比奈
 もともとは整形外科に行きたいと思っていて、それに麻酔科と小児科を入れた3つのうちのどこかかな、と考えていました。ですが、1年生の時の早期病院実習で、2日間救急に回らせてもらった時に搬送されてきた患者さんが亡くなるのを目の前で見たんです。これまでは人の命を救うところだけを見ていたけれど、死とも隣り合わせなんだなと。医師は生と死の両方を覚悟して受け入れないといけない仕事だと、あらためて実感しました。そんな生と死の狭間で、なんとかしなくちゃいけないのが救急なんだと感じて、救急にも興味がわいてきましたね。

ーー寺田さんはいかがですか?

寺田 地元(三重・伊勢)が大好きなので、そこで町医者のような感じになりたいです。勉強はまだまだですが、そういうところを一回考えないとしたら、困った人がいて自分が何か少しでも力になれるという意味においては、総合内科がいいんじゃないかなと。同時に、(横浜DeNA)ベイスターズのチームドクターとしての活動にも興味があります。自分が現役選手だった時のチームドクターの先生といろいろと話をさせてもらっていて。そしたら地元で医師をしながらでもできるという話をしていただいたので、そのふたつが今の目標です。

朝比奈 OBがスポーツドクターとして来てくれたら、きっとチームとしてもすごくうれしいですよね。

寺田 そう思ってもらえたらいいなっていうのはありますね。

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