<アスリート医学生対談>「勉強よりマウンドのほうが100倍プレッシャー」「私は柔道より勉強が...」元DeNA・寺田光輝と柔道家・朝比奈沙羅が語り合う! (4ページ目)
【テスト期間は体力勝負、1日16時間勉強!?】
ーースポーツの経験が勉強に活きていることはありますか?
寺田 目標を立てて、逆算して、計画を実行していく能力は野球で培われました。今は学生なのであまり偉そうなことは言えないんですが、テストに向けてどれくらいの期間があって、どうやって勉強していけばいいかという計画の立て方や目標達成のために逆算する感じですね。僕はスポーツのほうがプレッシャーを受けるタイプなので、プレッシャーについて言えば勉強は比較的余裕があるんじゃないかなと。あと、体力ですかね。
朝比奈 勉強するのはすごく体力がいりますよね。
寺田 本当に。
朝比奈 試験前になったら1日15〜16時間とか勉強をするんですが、やっぱり普通の体力では倒れちゃったり、熱出ちゃったりするんです。やっぱり勉強量が必要なので、そういう部分ではスポーツしてきたから勉強する体力もついたかなとは思います。
寺田 とはいえ最近、僕は体力がちょっと落ちてきているんで、夜起きていられなかったりします。だからその分、授業を一生懸命やるしかないんですよ。(授業を)聞いてアウトプット、聞いてアウトプットを何度も繰り返しています。
ーー寺田さんはテスト前でも15〜16時間は勉強しませんか?
寺田 活動時間がだんだん短くなってきているんですが、テスト前の勉強は10時間くらいですかね。人並み以上に体力はまだあるとは思っているんですが、ちゃんと計画して、コツコツやっていくしかないかなと。
この記事に関連する写真を見るーー朝比奈さんは、テスト直前はさすがにトレーニングを休みますか?
朝比奈 やったりもしますよ。でも時間が限られるので、自転車で通学したりして補っています。
ーーそのテスト期間は、どれくらい続くんですか?
朝比奈 私は基本的にはテストに向けての勉強をスタートさせるのが2週間前。テスト直前まではチャリ通です。でもテスト当日は、それこそ夜中の3時とか4時とかまで勉強してちょっと仮眠して、朝からまたテストまで最後の詰め込みをやるんで、車での通学になっちゃいます。
ーーハードさがすごく伝わってきます。
朝比奈 寺田さんみたいにコツコツやっていたら、直前に十何時間もやらなくても問題を解けると思うんですが、普段は練習もあるので勉強をできても1日2時間くらいで、今は詰め込み型になっちゃっています。だから、これを参考にされるとあまりよくないと思います(笑)。
ーー後編では、ふたりにとって「文武両道」をゆく意義について伺います。
後編【<アスリート医学生対談>柔道世界女王・朝比奈沙羅と元プロ野球・寺田光輝が考える文武両道とは...テストを乗り越える「必殺技」も語った!?】を読む
前編【<アスリート医学生対談>柔道世界女王で医学部合格の朝比奈沙羅に元プロ野球・寺田光輝は尊敬のまなざし「恐れ多すぎる存在です」】を読む
【プロフィール】
朝比奈沙羅 あさひな・さら
1996年、東京都生まれ。ビッグツリースポーツクラブ所属。小学校2年から柔道を始める。渋谷教育学園渋谷中・高から東海大学体育学部を卒業し、2020年に獨協医科大学医学部に入学。2021年6月、現役の医学生として出場した2021世界柔道選手権ブダペスト大会の女子78キロ超級で優勝。
寺田光輝 てらだ・こうき
1992年、三重県生まれ。小学生から野球を始める。県立伊勢高校卒業後、2010年に三重大学教育学部に進学するも中退。2012年に筑波大学体育専門学群に入学し、野球部に所属。2016年にBCリーグ・石川ミリオンスターズに入団し、2017年NPBドラフト会議で横浜DeNAベイスターズに6位指名されて入団。2019年に引退。2021年に東海大学医学部に入学した。
著者プロフィール
門脇正法 (かどわき・まさのり)
マンガ原作者、スポーツライター。1967年、埼玉県生まれ。日本女子体育大学大学院スポーツ科学研究科修士課程修了。アニメ『ドラゴンボールZ』の脚本家である小山高生氏からシナリオを学び、マンガ原作者デビュー。特にスポーツアスリートの実録マンガを得意としており、『世界再戦ー松坂大輔物語ー』(集英社/少年ジャンプ)、『好敵手ー室伏広治物語ー』(同)、『闘球「元」日本代表ー福岡堅樹物語ー』(集英社/ヤングジャンプ)の原作を担当。現在はマンガの原作だけでなく、「少年ジャンプ」のスポーツ記事特集『ジャンスタ』を中心に、『webスポルティーバ』の「文武両道の裏側」など、スポーツライターとしても活躍中。著書に『バクマン。勝利学』『少年ジャンプ勝利学』(ともに集英社インターナショナル)などがある。
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