<アスリート医学生対談>柔道世界女王・朝比奈沙羅と元プロ野球・寺田光輝が考える文武両道とは...テストを乗り越える「必殺技」も語った!?

  • 門脇正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori
  • 田中 亘●撮影 photo by Tanaka Wataru

文武両道の裏側 特別編 
柔道家・朝比奈沙羅(獨協医科大3年)×元プロ野球DeNA・寺田光輝(東海大医学部3年)対談 
後編/全3回

女子柔道世界王者の朝比奈沙羅さん(27歳/獨協医科大3年)と、元プロ野球選手の寺田光輝さん(31歳/東海大3年)はともに医師を目指して現在医学部に通っている。今回、そんなふたりの対談が実現。後編では、ふたりが思う「文武両道」やスポーツと勉強に励む子どもたちに伝えたいことを聞いた。

医学生の日々を語り合った元プロ野球選手の寺田光輝さん(左)と柔道家の朝比奈沙羅さん医学生の日々を語り合った元プロ野球選手の寺田光輝さん(左)と柔道家の朝比奈沙羅さんこの記事に関連する写真を見る* * *

【テスト対策の秘策はドラクエ!?】

ーー医学部在学中で現在、たくさんのテストに追われているおふたり。中学生や高校生にも通用するような、受験やテストを乗り越えるアドバイスや必殺技はあったりしますか?

朝比奈沙羅(以下、朝比奈) 必殺技みたいなものがあったら、私が教えてもらいたいです。

寺田光輝(以下、寺田) 僕はアウトプットに尽きると思っています。神経のテストの時に、むちゃくちゃ勉強したんですよ。車の運転中も映像授業の音声だけを聞いていて、いい感じだと思っていたんですが、いざテストで書くとなったらなんにも書けなくて......。聞いたことあるぞ、で終わっちゃったんです。だからアウトプットしまくる。別に書かなくても、言葉にしたり、自分のなかで思い出したりする作業をやりまくる。

朝比奈 めっちゃ腑に落ちました。やっぱり資料を読んでわかった気になるけど、いざ想定問題とか過去問を見た時に「なんですか、これは?」という状態になっちゃう。だから、問題を解く時はわからなくても書くことがすごく大事だなって、寺田さんの話を聞いて思いました。取り入れていきます。

寺田 あと記憶する時には、資料のこのあたりに書いてあったなというイメージ記憶とか語呂合わせを使ったりします。

ーー具体的にどんな感じですか?

寺田 たとえば結核の治療薬の名前を覚える時には、ゲームの「ドラクエ(ドラゴンクエスト)」で語呂合わせをしました。「リファンピシン」という抗生物質がありますが、ドラクエに出てくる「リファ」っていう民族と結びつけて記憶したり、「ピラジナミド」という薬はピラミッドの砂漠のステージをイメージしながらとか......。

朝比奈 それって覚える量が増えちゃったりしてません?(苦笑)

寺田 僕だけがやっているのかなと思ったんですけど、慶応大医学部の先生がYouTubeで同じこと言っていたんですよ。アウトプットとの間にひとつ挟んで、関連づけて覚えることが大切だって。だから結核の治療薬が思い出せない時、「ドラクエ」を思い出せれば、ヒントも増えるんじゃないかなと。

ーー勉強中に「ドラクエ」のゲームをしたりも?

寺田 してないです。「昔取った杵柄(きねづか)」ってやつです(笑)。

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