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駒大スポーツ新聞「コマスポ」の奮闘 お金も時間も足りないけど...「スポーツが好きだから」「青春を追いかけるのが青春」 (2ページ目)

  • 高山かおり●取材・文 text by Takayama Kaori

【駅伝、ドラフト、Jリーグ内定...一面争奪戦】

 一方、「やりたいと思ったすべての役割に挑戦できる自由度は、部員数が少ないからこその環境」と話すのは、陸上班チーフを務めるグローバル・メディア・スタディーズ(GMS)学部3年の宮澤希々(ねね)さん。宮澤さんは、記事の取材・執筆はもちろん、レイアウトも担当し広告営業なども経験してきた。

「掲載する写真は、ピースをしていたり素の表情が出ているような、私たちだからこそ撮れるものを優先して選んでいます」と宮澤さん photo by Kitagawa Naoki「掲載する写真は、ピースをしていたり素の表情が出ているような、私たちだからこそ撮れるものを優先して選んでいます」と宮澤さん photo by Kitagawa Naokiこの記事に関連する写真を見る ひとつの号を製作する大まかな流れはこうだ。陸上やサッカー、野球などをそれぞれ担当する各班が、会議に持っていくネタをあらかじめ考える。そして1度目のネタ出し会議で、どの記事をどの面に配置するかを話し合う。

 一面は悩ましい展開になることも多いそう。とくに秋号は、駅伝やプロ野球ドラフト指名、サッカーJリーグ内定など大きく取り上げたいニュースが多く"一面争奪戦"になる。2度目のネタ出し会議で各記事の記者とレイアウトの担当者を決定し、各班のチーフが部へ取材依頼を行なう。

「基本的には希望している競技や選手を取材できるように記者を配置します。その選手への知識量があればあるほどインタビューに深みが増すからです」と中西さん。

 写真撮影も自分たちで行なうが、入部当時はほとんどが素人。取材を重ねながら撮影経験を積んでいくという。機材は編集部にも数台用意があるが、技術を高めようと自腹で買う部員も少なくない。

「強制ではないけれど、自分のカメラで撮りたいという気持ちが出てきますね。カメラが人生で一番高い買い物でした」と宮澤さんは笑う。

 その後、集まった原稿にみんなで目を通し、赤字を入れていく。記者は記事に自ら見出しもつける。校了後に印刷所から刷り上がった新聞が到着すると、学内などに設置。定期購読者への配送を行なう。新聞を郵送サイズに折り畳み、住所を貼り付け、近隣の郵便局へ持ち込むという地道な作業だ。

3人は取材中に終始、楽しそうにスポーツについて話していた photo by Kitagawa Naoki3人は取材中に終始、楽しそうにスポーツについて話していた photo by Kitagawa Naokiこの記事に関連する写真を見る

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