駒大スポーツ新聞「コマスポ」の奮闘 お金も時間も足りないけど...「スポーツが好きだから」「青春を追いかけるのが青春」 (4ページ目)
【取材費はアルバイトでやりくり】
しかし、新聞製作は楽しいことばかりだけではない。注目度が高まれば高まるほど、批判の声がSNSなどを通じて目立つようになったという。
たとえば、駅伝取材の場合、区間ごとに担当を決め、X(旧ツイッター)で速報を流しつつ、翌日にはウェブサイトとインスタグラムの更新をするが、「情報が遅い」との声も届く。遠方で開催される大会では「あの大学の新聞は取材へ行っているけどコマスポは行っていない」などと言われることも。
「選手が活躍すればするほどコマスポに対する厳しい言葉も増えて、落ち込みます。じつは、活動を続けていて報われないなって思うことも多いんです」と宮澤さんはこぼす。
新聞製作の苦労についても打ち明けた photo by Kitagawa Naokiこの記事に関連する写真を見る 金銭事情も悩みになっている。コマスポの場合、取材にかかる交通費や宿泊費などの経費は大学側から6割は出るが、残りは自己負担だ。
そのため、宿を使わずに夜行バスの往復で宿泊費を抑えたり、遠方だと取材自体をあきらめざるをえない。普段の授業に加えて週末は大会の取材をすることが多いため、アルバイトに十分な時間を割くことすら難しい。
「なんとか時間を捻出してバイトもしますが、学生なのでお金も時間も足りなくて......。でも、当然この状況について読者の方は知らないですし、伝えるべきことでもないですよね。規模の大きい大学の新聞部とは、町工場と大企業ぐらい違うんです」と中西さんは言う。
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