グランプリ行きの切符を賭けた女子だけのGⅠ開催間近 ダークホース2人に立ちはだかるぶ厚い壁とは (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • 高橋学●撮影 photo by Takahashi Manabu

「頭を打っていたので、それがダメージ的には大きかったかなと思います。頭を打って記憶がないというのが、11年やっていて初めてでした。(GⅠで)気持ち的にも仕上がっていたので、悔しさが残る開催でした」(小林)

 小林は競輪場からそのまま病院に運ばれ、頭部打撲と脳振とう、左肩、肘、大腿、下腿の打撲及び擦過傷で全治約1カ月と診断された。

 吉川は初日の予選で優勝候補の児玉、山原さくら(高知/104期)、坂口楓華(京都/112期)と争うことになり、6着に沈んだ。「調子もすごくよかったので、初日さえミスしなければとすごく感じています」と悔しさを口にした。

 このパールカップから約1か月後の7月中旬、2人は特別レース「ガールズケイリンフェスティバル」に出場した。小林は「(ケガ明けで)まだダメージが結構残っていた」なかでも見事決勝に進出。7着と上位には食い込めなかったが、改めてそのポテンシャルの高さを証明した。吉川も予選を勝ち抜いて決勝に駒を進め、堂々の2着に。特別レースで自身最上位の成績を残すことができた。「パールカップあたりからすごく調子が上がっていましたし、ここでも決勝に乗れて、(結果を出せたことは)大きかったと思います」と確かな手ごたえを掴んだ。
ガールズケイリン3年目ながらも堂々の走りを見せる吉川ガールズケイリン3年目ながらも堂々の走りを見せる吉川この記事に関連する写真を見る

【スピードが勝負のカギを握る】

 調子を上げてきている2人にとっても、今回のオールガールズクラシックは是が非でも獲りたいタイトル。ただ上位陣の実力は伯仲しており、そう簡単に優勝を手にできるわけではない。

 その2人の前に大きく立ちはだかるのが、ナショナルチームの存在だ。今回のGⅠでは、アジア選手権でパールカップに出場できなかったナショナルチームの佐藤水菜、太田りゆ(埼玉/112期)、梅川風子(東京/112期)の3選手が出走することになっており、彼女たちがどう勝ち上がるかにも注目が集まっている。

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