「絶対にレースを動かす」「本当に不安しかない」 迫りくる競輪ルーキーシリーズの優勝候補3選手が挑む決意の日々 (3ページ目)

  • text by Sportiva

【3選手は宇都宮で激突】

 竹野の強みは先行。レースの先頭を走って主導権を握る走りだ。しかしその分、風を受けるため体力の消耗が激しい。それでも本人は「先行一本」と宣言。「自分が一度決めたからには絶対に先行します。もし先行ができなかったとしても、絶対に自分でレースを動かしていきたい」とこだわりを見せる。だから「周りの選手はあまり関係ない」と強気だ。

 松井は仕掛けるタイミングを冷静に見極めるタイプで、「行けるなと思ったタイミングで出し惜しみせずに行きたい」と語る。「気負いすぎず、気合を入れすぎず、いつも通りの走りをしたい」と平常心で臨むことを誓う。

 宇野は養成所で400m独走タイム1位、200m独走タイム3位を記録するなどスプリント能力に長けている。卒業記念レースでは「後方の動きを見ながら自分のまくるタイミングを見極めていけた」と、後方から一気に勢いをつけて抜き去り1着で入った。この得意なパターンに持ち込めば、勝利に繋げられる力を持つ。

ルーキーシリーズは各節で14名が出場。初日と2日目に予選を行ない、最終3日目に決勝が開催される。人数が限られているため、竹野は宇都宮、四日市、松戸、松井は宇都宮と松戸、宇野は宇都宮と四日市に出場する予定。3人は第1節の宇都宮で顔を合わせることになった。

 そして、ここに挙げた3選手だけでなく、実力のある選手、キラリと光る選手はまだまだいる。ガールズケイリンの次代を担う新人選手たちがつくる物語の1ページ目を、ぜひその目に焼きつけてほしい。

【Profile】
竹野百香(たけの・ももか)
2002年8月22日生まれ、三重県出身。154.6cm、59.9kg。高校から自転車競技を始め、2020JOCジュニアオリンピックスプリント2位、500mTT3位となる。頂点に立つことができなかったため、日本競輪選手養成所へ入所。在所成績1位で卒業した。

松井優佳(まつい・ゆうか)
1999年4月27日生まれ、大阪府出身。164.2cm、61.5kg。高校から本格的に自転車競技を始め、高校総体女子ポイントレースで優勝するなど好成績を残す。大学でも自転車を続け、2022インカレスプリント500mTTで1位を獲得した。日本競輪選手養成所での在所成績は2位。

宇野紅音(うの・あかね)
2003年12月20日生まれ、岐阜県出身。156.0cm、61.8kg。高校から自転車競技を始め、2021全国高等学校選抜自転車競技大会500mTT3位、2020JCSPAジュニアサイクルスポーツ大会全国大会ケイリン4位の成績を残す。高校卒業後すぐに日本競輪選手養成所に入所し、4位の成績で卒業した。

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