婦人科で「卵巣がおばあちゃん」と言われた元競泳選手・寺村美穂。現役引退後も「正常に生理がこなくなるのが怖い」 (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

2度の手術を経験

――昨年9月、26歳での引退となりました。どんな競技人生だったと思いますか。

 本当に恵まれていたなと思います。ほかの人にはない辛い経験もあったのかなと思いますが、結果的にすべてプラスになっていると感じています。五輪に2度出場できましたし、最後はいい方向に向かったので、辛かったことも全部必要だったんだなと思います。環境面でも、周りの人にも恵まれていました。
2大会連続五輪に出場した寺村美穂 photo by JMPA2大会連続五輪に出場した寺村美穂 photo by JMPAこの記事に関連する写真を見る

――輝かしい成績を残しつつも、苦難もありました。2度のヒザの手術とリハビリ。先が見えないなかで、どのような気持ちが自分を支えていたのでしょうか。

 先のことよりも、今をどう乗り越えようかとしか考えていなかったです。マイナスな気持ちにはならず、手術を乗り越えれば、絶対に結果が出ると思っていました。手術後には、まったく自分の足ではない感覚になってしまうんだろうなという気持ちがありましたし、手術前の泳ぎに戻れるのかなという不安もあったんですけど、水泳を辞めようかなとは思いませんでした。

――泳げなかった期間はどんなことを感じていましたか。

 本当に悔しかったです。同年代の人たち()のレベルがすごく高かったので、その人たちのなかから外れたくない、ずっとその場にいたいという気持ちがありました。たくさんの方がお見舞いに来てくださったので、その人たちに対して全力で向き合おうという気持ちもありました。家族も含め周りの方々も、私のやることを見守ってくれていたからこそ頑張れたと思っていますし、感謝の気持ちを持てたと思います。
※94年生まれ:寺村美穂、瀬戸大也、萩野公介など/95年生まれ:大橋悠依など

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