アームレスリング世界一の男女が明かす日々のトレーニング。「全然違う」方法で頂点を極めた (4ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • 田中亘●撮影photo by Tanaka Wataru

限界を超えるトレーニング方法

――具体的に、トレーニングはどのようなことをするのでしょうか?

山田 私は、腕の皮膚の感覚がなくなるまで追い込みます。

――「皮膚の感覚がなくなる」とは?

山田 男性と腕を引っ張り合う感じで前腕を鍛えるんですけど、トレーニングが終わったあとに手のひらを開くことができなくなるまでやるんです。反対の手で、指を1本ずつ開いていくような感じ。そうなった時に前腕の皮膚を触ってみて、感覚がなかったらその日の練習は終わり。それを週2回やっています。

――それ以外の練習は?

山田 あとは毎日、秘密のトレーニングをやっています。たぶん、他の選手たちは誰もやっていないんじゃないかな。それを30分間くらい。私は2019年にも世界一になりましたが、すごくきついので毎日苦痛でしたよ(笑)。

――ちなみに、小寺さんもそのトレーニングをやったことはありますか?

小寺 はい、勧められて自分もやってみたんですけど......全然続けられないというか、僕には合っていないのかもしれません。

――マシンを使ったトレーニングはしますか?

山田 私は一切使わないですね。

小寺 僕はマシンばかりです。

――世界チャンピオン同士でも、トレーニング方法は違うんですね。

小寺 全然違いますね。僕は世界大会に出るとなったら、1年前からどんなトレーニングをするのか計画を立てます。

山田 小寺くんは、めちゃくちゃ細かいんですよ。ノートに呪文のような感じで、彼しかわからないオリジナルの言葉でいろいろ書いてます(笑)。

――何が書かれているんですか?

小寺 トレーニング内容を細かく書きます。今日は何キロの負荷で、何回やったとか。他にはトレーニングの反省点、動きのイメージなどもメモします。そのノートが何冊あるかは数えたことがないですが......もう20年以上いろいろ書いてますから膨大な量になってますね。

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