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ロコ・ソラーレ吉田夕梨花が振り返る北京五輪決勝戦。「イギリス代表のほうが勝つ準備ができていた」 (3ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・文 text by Takeda Soichiro
  • photo by JMPA

――そう思った理由は、具体的に何かあるのですか。

「オリンピックの会場って、いつも荷物を入れるための大きな箱をチームごとに用意してくれるんですよ。その箱に荷物を入れるタイミングが(イギリス代表の)サードのヴィッキー(・ビクトリア・ライト)と一緒になったんですね。

 その時には、『Good game』と笑顔で言い合ったんですけど、そのあとに彼女はすごく楽しそうに鼻歌を歌っていて。その姿を見て、『ああ、もう戦う準備は済んでいて、ここにいるんだな。あとはオリンピックのファイナルを楽しむだけなんだな』と感じました」

――大会を通して、ご自身のパフォーマンスは4年前と比べていかがでしたか。

「平昌五輪の時はいい記憶はなかったし、満足していたわけではないと思うんですよ。でもやっぱり、覚えていないんですよね。ちょっと比較は難しいかもしれません」

――北京五輪シーズンを迎えて、チームで平昌五輪の映像を見返して「(当時は)下手だね」と確認したこともあったと聞きました。

「下手でしたね」

――それが4年の時を経て、北京五輪では吉田夕選手はショット率ナンバー1のリードになりました。

「ショット率は数字でしかないので、そこまでは気にしていません。でも、4年前に比べたら、(自分も)だいぶ使い物になったと信じてはいます」

――ご自身にとって、渾身のベストショットみたいなものはありましたか。

「あったかな......。どうなんでしょう。う~ん、ちょっとわからないです」

――日本のファンからは、準決勝のスイス代表との第10エンドで見せたウィック2本という声が挙がっています。

「それはよく言ってもらえます。でも、そうしたらその前の第8エンドで決めた2本のほうが(自分としては)大きかったですね。第10エンドのウィックは2本ともそれとほぼ同じなので。

 そのゲームで初めて投げるウィックって、わからないことのほうが多いですから、やっぱり難しいんですよ。第8エンドで決められたから、第10エンドでは(ウィックが)決まるイメージを持って投げられました」

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