ロコ・ソラーレの5人が語った北京五輪への思い。藤澤五月は「世界一になってみたいと思うようになった」 (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・文 text by Takeda Soichiro
  • 藤巻 剛●撮影 photo by Fujimaki Goh

 セカンドの鈴木夕湖は、4年前の平昌五輪でショット率が上がらず苦い経験をしたことから、最後まで自身とチームのピーキングに注意を払う。

「オリンピックに出てくるチームは、実力差がそこまでないチームばかり。どこが勝つかもわからないという状況で、しっかりと(本番に)ピークを合わせられたチームが勝てるのかなと思っています。平昌五輪の時は選手村に入ってから、わりとガッツリとトレーニングをしてしまったので、その辺りもトレーナーさんと相談しながら(調整したい)ですね」

「最後は自分たちのチームを信じられたチームが勝つ」――JDコーチの助言を胸に、自身3度目の五輪に挑むのは、サードの吉田知那美。彼女はかつて、平昌五輪の銅メダルという結果について「勝ったのか、負けたのかわからないけど、順位には納得している」と語っていた。

 北京五輪に向けては、妹の吉田夕同様「4人全員が納得する形でショットを決められたら、最高ですね」と話す。その「納得」の先にメダルが待っているのかもしれない。

「全試合すごく楽しみ」

 そう語るのは、スキップの藤澤五月。ふだんどおり、彼女はゲームへの欲を隠さない。

 どの国との試合がカギになるか? という質問についてはこう応じた。

「どの試合も自分たちらしい試合をすることが一番だと思うので、全部の試合がキーポイント」

 4年前は本橋がフィフスとして座っていたコーチボックスには今回、石崎が入る。彼女は2020年夏からロコ・ソラーレに加入し、客観的かつ献身的なサポートを続けてきた。

 ロコ・ソラーレというチームの強さについては、「追われる立場でありながら、新しいことに挑戦できるところ」と分析。続けて「このチームの一員になれて誇らしい」と語って、今大会を自身のキャリアの集大成と考えている。

「私のカーリング人生、もしかしたら(北京五輪が)最後かもしれない。そこが、ロコ・ソラーレで本当によかったと思います」

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