叔父・朝青龍に叱られるのを覚悟で豊昇龍がレスリングから相撲の道へ変更したわけ (2ページ目)

  • 武田葉月●取材・構成 text by Takeda Hazuki

 日本の選手もすごかったですね。同じ日に金メダルを獲った柔道の阿部一二三・詩兄妹や、レスリングの川井梨紗子・友香子姉妹など、連日メダルラッシュでした。僕もレスリングをやっていたからわかるけれど、姉の梨紗子選手が「妹のために体重を落とした(階級を下げる)」というのは、どれだけ大変なことか......。その活躍にはとても感動したし、大いに刺激を受けました。

 僕も子どもの時から、とにかく「スポーツで身を立てたい」という気持ちがありました。それである日、叔父さんに相談しました。叔父さんも高校の途中から日本の明徳義塾高校に相撲留学して、インターハイでメダルを獲得(3位)。その後、相撲界に入るという経緯があったからです。

 すると、「おまえも、スポーツを究めるなら、日本の高校に留学したほうがいい」という話になったんです。そこで、叔父さんが勧めてくれたのは、やっぱり相撲でした。

 だけど、僕は相撲には自信がないし、これまで続けてきたレスリングで留学したいな、と......。結局、「まあ、仕方ないな......」と叔父さんが折れる形で、僕は千葉県の日体大柏高校に留学したんです。

留学後、レスリングから相撲の道に進むことを決意した豊昇龍留学後、レスリングから相撲の道に進むことを決意した豊昇龍 入学早々の5月のこと。僕が所属しているアスリートコースの生徒たちは、課外授業で両国国技館に相撲を見に行くことになったんですね。僕はそこで、まさに相撲の虜になりました。

 横綱・日馬富士関が大きな力士を倒して大歓声が沸いて、間近で見た遠藤関の技のキレもすごかった。リアルに見る大相撲って、こんなに面白いんだ! カッコイイ! すごく感動しましたね。

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