東京五輪での出番が消えた「幻のチアチーム」。出演が全カットされるまでの準備と解散までの記録
開催について賛否があった東京五輪だが、アスリートたちの活躍に感動をもらった人は多いのではないだろうか。コロナ禍で調整が難しいなか、出場した選手にはあらためて称賛を贈りたい。
一方で、準備が難しかったのは選手だけではない。
今回の東京五輪から正式種目になった3x3(3人制バスケットボール)を盛り上げるべく、このためだけに結成された特別チアダンスチームもそのひとつである。
東京五輪の3x3でパフォーマンスを披露するために集まったチアダンスチームこの記事に関連する写真を見る NBAやNFLにも人材を輩出するプロのチアダンスチームの元メンバーを中心に、期間限定で構成されたチームは、約2年前から準備を進めてきた。しかし、あとは現場リハーサルと本番を残すのみというタイミングで無観客開催が決定し、彼女たちの出演は全カットになってしまった。
東京五輪3x3チアパフォーマンスチームのディレクターを任されたMEMEさんは4歳からバレエを始め、専門学校のダンス科を卒業。有名アーティストのバッグダンサーなどを務めたのち、プロチアダンスチームに加入した。プロスポーツチームや各種イベントへの出演、ディレクターを経て、退団後の現在は本業を別に抱えながらフリーでワークショップやレッスンを開催している。
2019年9月にオリンピック組織委員会からオファーを受けたMEMEさんは、知人のダンサーや、かつて一緒にチアをやっていたメンバーに声をかけ、最終的に12名を集めた。
本来は2020年の3月頃には練習を始められるはずだった。しかし、新型コロナウイルスの感染が拡大し、1回目のリハーサル直前で活動は休止に追い込まれてしまう。五輪の1年延期に伴い、メンバーは固定のままチームは一時解散となった。
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