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45歳の葛西紀明、
W杯で失速ジャンプ続きでも「余裕の表情」なわけ (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

 公式練習前のチーム練習から全員の調子が上がっていたので、選手たちは「団体戦はいけるのではないか」という雰囲気になっていたという。「他の国も強いのでシビアな戦いになると思っていたけれど、陵侑は大きい台になると飛べるし、拓も調子が戻ってきていたので、あとは僕次第だなと思いました。本当にキーマンでしたね」と葛西は明るく笑う。

「今回は2位になれるかなとも思いましたが、アンカーを潤志郎に任せるのはまだ早かったかなと感じました(笑)。でもいい経験になったと思うし、若い選手がどんどん強くなって、(彼らが)4番手のアンカーを飛んで(自分を)安心させてもらいたいなというのもあるし......。今季はW杯でも団体戦がけっこうあるみたいで、ここで日本チームのレベルを見られたのはよかったですね。潤志郎の好成績はみんなの刺激になっていると思うし、僕も負けたくないという気持ちは持っているから。チームで一番調子がよくなって、『俺に任せろ』と思えるくらいにならないと4番手にはいけないから、僕ももっともっと調子を上げていかなければと思います」

 こう話す葛西は、次週のロシア大会は休んで12月7日から始まるドイツ大会から再びW杯に参戦する。今大会、納得できるような結果は出せなかったものの、落ち着いた精神状態で冬季シーズン入りができたといえる。45歳の大ベテランが爆発するのはこれからだ。

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