「こんな接戦は初めて」と言いつつ、ツール圧勝のフルームが強すぎ! (4ページ目)

  • 山口和幸●取材・文 text by Yamaguchi Kazuyuki
  • photo by AFLO

「こんな接戦は初めてだ。ツール・ド・フランスはいつも困難なレース展開だが、これほどプレッシャーを感じたことはなかった。でも今の僕は、それをパワーにして走ることができるんだ」

 来年、フルームには最多勝のタイ記録がかかる。ツール通算5勝はフランスのジャック・アンクティル、ベルギーのエディ・メルクス、フランスのベルナール・イノー、スペインのミゲール・インデュラインが記録しているが、「アフリカで生まれ育った僕はそこで自転車を始めたので、過去の伝説的な選手のことは知らないんだ。僕のなかで強烈な想い出があるのは、ランス・アームストロング(アメリカ)やイヴァン・バッソ(イタリア)だ」という。来年もコンディションを合わせて、5勝目に挑むのは確実だ。

 勝つためにはダウンヒルを速く走る方法を研究したり、集団の中の適正な位置取りを考えたり、自分をチューンナップする努力を怠っていないという。

「だから最初の勝利よりも、確実に強くなっているはずだ。でも、これからも自分自身をさらに変えていきたい」

 フルームの強さは、この謙虚さなのかも知れない。

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