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カド番⇒綱取りへ急浮上。
豪栄道が全勝優勝を決めた「自分の型」 (3ページ目)

  • 松岡健治●文 text by Matsuoka Kenji
  • photo by Kyodo News


 そんな弱点を克服してつかんだ「右差し左前まわし」という必勝の型。大関昇進の口上では「これからも大和魂を貫いて参ります」と決意を述べたが、昇進を決めた名古屋場所では大きなケガも負っていた。

 白鵬を倒した翌日の日馬富士戦で、左ひざの半月板を損傷。休場を考えるほどの重傷ながら、大関昇進の目標を達成するべく残り3日間も強行出場し、奇跡的な3連勝を果たした。しかし、無理の代償は大きく、場所後の夏巡業を休場。新大関として臨んだ秋場所は青息吐息の8勝7敗だった。

 攻守の要となるヒザのケガは、力士にとって致命的。必勝の感覚は、そこから相次ぐケガによって鈍っていく。2015年夏場所では、12日目に白鵬を破った一番で左肩を骨折し、14日目には大関昇進後、初の休場に追い込まれた。同年の九州場所では右手首を負傷して冬巡業を休場。今年の夏場所では、白鵬のひじ打ちで左眼窩内壁を骨折し、満足な稽古もできない状態で名古屋場所に強行出場して負け越した。

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