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【フェンシング】メダルまであと一歩。
エペで男女ダブル入賞の快挙 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

 太田雄貴のこれまでの活躍で日本のフェンシングはメダルが取れるという印象が強いなかで、やはりメダルを獲得しなければ、エペという種目の認知度も上がりにくいと考えているからだ。

 しかし、日本のエペが五輪で入賞を果たしたことは、大きな価値がある。エペはフェンシング3種目(エペ、フルーレ、サーブル)の中では、本場のヨーロッパでは最も人気のある種目だ。ポイントが取れる有効面が胴体部分だけで、攻撃権を取らなければ得点にならないフルーレと違い、有効面は足のつま先から頭までの全身で、単純に突けば得点になる。

 これは見る側にとってもシンプルで分かりやすい。そのため人気も高く、競技人口も3種目の中では最も多い。見延の心の中には、そんな厚い選手層の中でしっかりランキング上位に入り、五輪の出場権を獲得したことだけでも価値がある、という自負がある。

 それを表すこんなエピソードがある。08年北京五輪後に見延は太田から、「フルーレをやらないか」と誘われたことがあるが断ったという。

 理由を「エペはフルーレよりルールが単純で、"やるか、やられるか"だからそこがいい」と説明する見延だが、「世界レベルで見ればエペは最も人気がある種目だから」という部分もあったという。

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