2016.08.11

「もう2度とやりたくない」王者・内村航平を追い詰めた個人総合の激闘

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

 五輪連覇を狙う絶対王者・内村航平の個人総合の演技は順調そのものだった。最初のゆかは、最後の着地をピタリと決めて15.766点と高得点でスタート。続くあん馬は14.900点を獲得し、3種目目のつり輪も着地をしっかり決めるとガッツポーズが自然と出ていた。得点は2日前の団体戦より少し低い点だったが、前半をミスなく終えたことで緊張が滲んでいた顔にも、やっと笑みが浮かんだ。

熾烈な金メダル争いを称えあった内村航平とオレグ・ベルニャエフ ただ、内村以上にいいスタートを切っていたのは、予選の個人総合でトップに立っていた22歳のオレグ・ベルニャエフ(ウクライナ)だった。ゆか、あん馬、つり輪の前半が終わったところで、内村に0.471差をつけて暫定トップに立った。

 内村は次の4種目目の跳馬で、完璧な演技をして、全体1位の15.566点を出したが、ベルニャエフも15.500点を出して、差を僅かに詰まったが1位は譲らず。そしてベルニャエフは、グループ1番手で演技をした得意な平行棒で、Dスコア(難度点)7.1点の高難度の構成で16.100点を出し、突き放しにかかった。