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【体操】有言実行の金メダル。「新しい歴史を作った。そして東京へ」 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

 そして「最初のつり輪で体の反応がよく、練習通りにできて、力も入っていることが確認できたので、そこで自信もつかめて平行棒と鉄棒に臨めた」という田中は、3番手を任された鉄棒では、15点台を出した加藤と内村に続いて15点台に乗せ、5種目合計で日本はロシアを上回るトップに立った。

「試合前はゆかに2位くらいで入れば絶対に勝てると話していたので、『おっ、1番か。ラッキー!』という感じでした。だから、後はもう気楽にやるだけだと思い、3人で『思い切ってやりましょう』と話していました。五輪まではずっと最後は鉄棒というイメージでいたので、ゆかが最後になった今回は、人生の中で一番心臓に悪い日だったと思います。でも、そのぶん達成感も大きかったし、一番幸せな日になりました」

 こう話す白井は、予選のゆかで場外に踏み出すミスをしていたが、「予選はちょっと元気すぎたので決勝は普通にやればいいと思い、いい意味で適当にやりました」と、ほぼ完璧な演技で16.133点を獲得。続く加藤も着実な演技で15.466点を取ると、6種目目で疲労のピークだった内村も15.600点を出し、合計を274.094点にして競技を終えた。

 ロシアのゆかと中国の鉄棒の演技を見守った日本チーム。終わってみれば2位のロシアに圧勝だった。

「去年の世界選手権でも勝ったけど、安心して他のチームの演技を見られるのは初めてだったので。何か最後までドキドキしないで、優越感のようなものも感じられて。そのくらいに今回は日本が圧勝だったのも、みんなで強い気持ちを持って戦えたからだと思います」と白井は言う。

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