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現役力士が語る、大相撲の「最新ちゃんこ事情」と「勝負メシ」 (2ページ目)

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

 僕は今、十両ですから、早めにちゃんこを食べられるのですが、やっぱり若い衆の頃は、きつかったなぁ......。兄弟子たちがちゃんこ鍋を囲んでいる後ろに立って、お給仕をするわけですが、目の前に美味しそうなものがズラリと並んでいるのをチラ見しながらの給仕は、すきっ腹の身にとっては地獄そのもの......。

「今に、オレだって強くなってやる!」って、思ったものです。

 番付がすべての相撲界は、発奮する場面がいろいろとあります。「(稽古のあと)いち早くちゃんこを食べたい」というのも、そのひとつだと思いますね。

 ちゃんこ鍋のパターンは、それこそ、数え切れないくらいあります。基本は、しょうゆ、塩、みそをベースとした味付けとなりますが、その日の具材によって、それらをアレンジしての味付けにすることもあります。

 ちゃんこの中身もバリエーションに富んでいます。それこそ、地方場所のときなどは、後援者の方から差し入れしてもらった食材を存分に生かしています。現在九州場所が行なわれている博多なら、高級食材のあら(クエ)が届くこともたまにあって、そのときは、部屋中のみんなが大喜び! 刺身に、から揚げに、煮付けに、鍋に......と、豪勢なあらづくしのちゃんことなります。

 そんな豪勢なちゃんこも好きですが、僕的にはあっさりしたちゃんこ鍋も好きです。なかでも、「湯豆腐」のちゃんこが大好物なんですよ。

 一般的に「湯豆腐」というと、ポン酢でいただくものを思い浮かべると思うんですが、僕が好きなのは、それとは違って、タレが独特なんです。しょうゆベースで、青のり、卵の黄身が入っています。角界の「湯豆腐」は、体にやさしくて、しかも飽きのこない味のちゃんこだと思いますね。

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