ソチ・パラリンピックが閉幕。「不可能を可能に」 (2ページ目)

  • 星野恭子●文 text by Hoshino Kyoko
  • 越智貴雄●写真 photo by Ochi Takao

 バイアスロン男子7.5km座位で銅メダル獲得した久保恒造 (クロスカントリースキー・バイアスロン/日立ソリューソションズ)は、「集大成と位置付けた大会だった。目標だった『練習してきたこと全部を出し切る』ことを達成できたので悔いはない。むしろ上出来」と、振り返った。

 また、若手として高校1年でパラリンピック初出場を果たした、江野麻由子 (クロスカントリースキー・バイアスロン/秋田南高校)は、「私のなかでは全力を出しきった滑りだったが、世界の選手に追いつけないとよくわかった大会だった。(今後は)しっかり体力や走力を身につけてから、技術も磨いていきたい」と語り、平昌(ピョンチャン)大会での活躍が期待される。

 開会式で日本選手団旗手を務めた太田渉子 (クロスカントリースキー・バイアスロン/日立ソリューションズ)は、パラリンピック出場3大会目にして初めてメダルに手が届かなかった。これまで、トリノ大会ではバイアスロンで銅、バンクーバー大会ではクロスカントリースキーで銀を獲得。

「集大成の滑りとして、これが今、私のできるすべて。平昌は選手としては考えていない。まだ、どういう形になるかわからないが、今後は後輩たちの役に立てたらと思う」と悔しさを滲ませながらも、しっかりと前を見据えていた。

 今大会には45カ国から約550人が参加、史上最多の5競技72種目で熱戦が繰り広げられた。日本からはアルペンスキーとクロスカントリースキー、バイアスロンに20選手が出場、全6個(金3、銀1、銅2)のメダルを獲得。目標のメダル数10個には届かなかったが、選手たちにとって素晴らしい大会だったのは間違いないだろう。

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