2014.03.14

【月刊・白鵬】初めて対決した話題の「遠藤」を横綱はどう見たか

  • 武田葉月●文 text&photo by Takeda Hazuki

白鵬が初場所を制した際、優勝パレードで騎手を務めた遠藤(左)。第36回:遠藤

昨年春場所(3月場所)の初土俵から、
わずか4場所で新入幕を果たした遠藤。
この春場所では横綱との初対決が実現した。
今や相撲界屈指の人気を誇る
遠藤について、横綱が語る――。

「浪速の町」に春を告げる、大相撲春場所(3月場所)が始まりました。

 今場所の大きな話題といえば、先場所14勝を挙げて、千秋楽に私と優勝決定戦を演じた大関・鶴竜の綱獲り。そして、入門7場所目にして、上位力士たちと対戦する地位まで上がってきた、遠藤(前頭筆頭)の活躍ぶりといったところでしょう。でも、忘れないでくださいね。大阪の水が合う私は現在、春場所4連覇中。貪欲に5連覇を狙っているということを(笑)。

 それにしても、今や強烈なのは、遠藤の人気です。土俵入りのときの歓声や、土俵に上がったときの声援は、すでに横綱、大関クラス。早くもテレビCMにも起用されて、本当にすごいと思います。

 遠藤が新入幕を果たした昨年秋場所(9月場所)の前、横綱審議委員会稽古総見の場で、私は確か5、6番、彼に胸を出しました。スピード出世で幕内に駆け上がってきた若手の力を確かめたいと思ったからです。番数は少なかったものの、それなりに彼の勢いを感じたことを覚えています。

 そして遠藤は、秋場所で9勝を挙げて勝ち越し。左足首のケガのために14日目から休場してしまいましたが、力のあるところを見せました。それだけに、秋場所後の巡業では、再び遠藤と稽古をしたいな、と思っていたのですが、彼が負傷で大事をとっていたこともあって、以来、彼と稽古をする機会は訪れませんでした。

 しかし今年の初場所(1月場所)、負傷も癒えた遠藤は関脇・琴欧洲から白星を挙げるなど、多くの見せ場を作って11勝を飾りました。いよいよ、この春場所には、私をはじめ、横綱、大関と対戦する前頭筆頭まで上がってくることになったのです。それで、とにかく私は、彼と早く稽古がしたいと思いました。初場所を終えてから、その機会が来る日をウズウズして待っていました。