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【スピードスケート】調子は上々。小平奈緒がメダル有力候補に名乗り (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA/Noto Sunao

 1月18日からの世界スプリントでは、直前まで疲労抜きの期間に当てたこともあり、総合5位に止まった。だが、まったく調整して臨んだ大会ではなかったとはいえ、W杯ランキング1位の李相花(イ サンファ/韓国)や2位のオルガ・ファトクリナ(ロシア)が出場していないにも関わらず、思うような結果が出せなかったことは、心も穏やかではなかったはず。だがこの滑りで、そんな不安も消えただろう。

 結城コーチはこう言う。
「出発前に追い込んだ疲れも少しあると思うが、最近はスタートの閃き(ひらめき)もでてきたようで、いい感じになってきていた。今季は100mの滑りで右側にずれるようなっていたが、その理由は左側のスケートの噛みがいいからと考えていたんです。でもここに来て、スタートする時の体の振り切りが足りないのではと思い、号砲がなったあとの頭の位置をどこにするかを意識するように話したんです。そうしたら昨日から急に良くなってきて。だから今日のスタートもまぐれではないと思っています」

 500mにはメダル候補が多く、1000分の1秒単位で勝負が決着する紙一重の状況である。だが今日の滑りでメダル圏内にいることを証明した小平は、バンクーバー五輪500m12位で流した悔し涙を吹き払う準備ができた。

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