選手たちが続々とソチに到着。羽生結弦らコンディション良好

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA/Noto Sunao

 五輪会場から遠くに雪をかぶった山が連なる光景を見ると、冬季五輪が始まるという高揚感がわいてくる。快晴に恵まれ、昼間は予想より暖かいソチだが、夕方になると少し冷え込んでくる。

4日、お昼過ぎの練習に現れ調子の良さを見せた羽生結弦4日、お昼過ぎの練習に現れ調子の良さを見せた羽生結弦 そんななか、2月3日午後には、スピードスケートの会場となるアデラー・アリーナで、各国選手が参加したタイムトライアルが開催された。

 この日、500mで金メダル獲得が期待される長島圭一郎は、タイムトライアル出場を回避。今村俊明コーチが「1週間前に滑って課題を見つけるのもひとつのやり方だけど、長島は本番のスタートラインに立って初めて力が爆発するタイプなので、タイムトライアルは出なくてもいいと思って」と話すとおり、午前中の軽い練習だけに止めた。

 もうひとりの金メダル候補である加藤条治は、タイムトライアルに参加。前回バンクーバー五輪のトライアルでは、スタートに失敗して周囲を心配させたが、今回は無事にスタート。タイムは20人ほど滑ったうちの11番目の35秒51だったが、「50m過ぎからの伸びもあったし、スピード練習もやっていない状態での滑りとしては思いどおりのレースができたと思う」と落ち着いている。

 加藤本人は「体の切れはまだまだですが、試合まで1週間あるので戻ってくると思う。今の体のキレは、シーズンインの全日本距離別の1週間前よりいいくらいです」と手応えを感じていた。

 今村コーチは「本人が意識したのは最初のカーブでどう加速するかだったが、50~100mではいい動きをしていた。条治自身もここで記録を出し過ぎてはいけないと思っていただろうし、僕も36秒00くらいでいいと思っていた。ピーキングに関しては、現時点では9割はOKといえる状態。チームドクターやトレーナーと相談しながらやっているが、筋肉などの体に関しては何の心配もなく、イメージどおりに来ている」と自信を持つ。

 ライバルが多く混戦状態の男子500mだが、加藤と長島は自分の力を出し切れる状態で10日のレースに臨めそうだ。

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