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ソチでお家芸復活!?竹内択を中心に男子ジャンプ陣が上昇中 (4ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 築田純●写真photo by Tsukida Jun

 彼自身6回目の五輪だったバンクーバー後は精神的にも落ちついてきて、踏み切りでもパワーを出し過ぎないスムーズな動きが出来るようになってきている。昨シーズンのW杯総合は24位で止まったが、最終戦のプラニッツァでは優勝を狙える状態まで持ち直した。その自信を今季も維持し、第2戦のクーサモで5位になると、リレハンメルのノーマルヒルでは2本とも1mを大きく超える追い風の悪条件ながら10位につけていた。

「(ラージヒルの)2本目を飛び終えた時点でトップに立って表彰台を決めるつもりだったけど、3位という数字をみてがっくりしました。それに練習で良くなってきていて『そろそろ来るかな』と思っていた大貴にこんなに早く負けたのも悔しいし。ただ、ずっと拓の調子がいいから遅れをとらないように頑張ろうと思っていて。そういう風にチーム内で争えることがみんなのレベルをあげるし、自分のモチベーションも上がるから、ものすごくいい方向にいっていると思います」と、悔しさを感じながらも葛西は明るく笑う。

 結局、リレハンメルのラージヒルでは伊東が3位で葛西が4位、竹内が8位。横川コーチは「日替わりでチームトップが代わる争いになっているのはものすごくいいですね。こういう状況なら自然に総合的とレベルも上げていける。トップ10に3人も入っているのは日本だけだから、その意味では五輪に向けてもいい準備が出来ているんじゃないかと思いますね」と明るい表情を見せる。

 W杯4戦が終わった時点でW杯総合ランキングは竹内が2位につけ、葛西は03年以来10年ぶりのシード権獲得が狙える7位に名を連ねている。さらに伊東も今大会の3位入賞で18位から一気に11位まであげ、来季シード権が得られる10位以内にあと一歩と迫った。

 3人のうち誰が上位に入ってもおかしくない状況の中、日本チームはソチ五輪に向けて、大目標にする団体戦のメダル獲得だけではなく、個人のメダル獲得という夢を見られそうな素晴らしいシーズンインを果たした。

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