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ソチでお家芸復活!?竹内択を中心に男子ジャンプ陣が上昇中 (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 築田純●写真photo by Tsukida Jun

 ところが、バンクーバー五輪に出場して「五輪といえど他の試合と同じ」と肌で感じてからは少しずつ試合にも落ち着いて臨めるようになっていった。12年1月にはインスブルック(オーストリア)で3位に入ると初めて表彰台に上がり、昨季も2月のクリンゲンタール(ドイツ)で2位につけることができた。

 順調に力をつけて、調子もよく優勝のチャンスが出てきた今季。W杯開幕戦のクリンゲンタールでは追い風の悪い条件に耐えて4位。2戦目のクーサモ(フィンランド)でも条件に恵まれない中で9位と踏ん張った。本人も「調子はいいし、いいジャンプは出来ていると思う」と手ごたえを感じていた。

 その言葉通りのジャンプを見せたのが、6日にリレハンメルで行なわれた男女混合団体だった。(メンバーは伊藤有希、伊東大貴、高梨沙羅、竹内択の男女4人)

 各国のエースがそろう4番手を任せられると、1本目は104mを飛んでチーム順位を4位から1位にあげた。そして最終ジャンパーというプレッシャーのかかる2本目も、4番手グループでトップの100.5mを飛んで優勝を決め、そのいい流れを、翌日のノーマルヒルにつなげた。

「昨日はああいう大役ですごく緊張したけど、それもいい経験になったし、(ノーマルヒルでは)それを生かせたかなと思います」と言うように、竹内は逆転優勝を狙える場面でも力むことなくいつものようにジャンプをして、2位を確保したのだ。

「昨季のクリンゲンタール2位は心臓がバクバクしていっぱいいっぱいだったけど、今回は余裕を持って飛べました。1本目にシュリーレンツァウワーが向かい風を貰ったように、ジャンプは運も味方にしなければいけない競技だけど、チャンスがきた時に勝つためには、今のような85~90%のジャンプを続けていく事が大事だと思います」

 落ち着いた表情で話す竹内は、チームの牽引者という雰囲気を感じさせるほどだ。

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