ソチでお家芸復活!?竹内択を中心に男子ジャンプ陣が上昇中 (3ページ目)
そんな竹内に刺激を受け、8日のラージヒルで結果を出したのが伊東大貴とベテランの葛西紀明だった。
W杯ランキングを2位まであげた竹内は、ほとんどの選手が向かい風だった1本目に追い風を受けてしまい、128.5mで8位に止まった。だがその前に向かい風の恩恵を受けて飛んだ伊東と葛西は132.5mと134.5mの記録を出し、ウインドファクターなどの差を含め、同点の3位で折り返したのだ。
竹内は2本目も「1本目よりもいいジャンプは出来ていた」というが、さらに強い秒速0.32の追い風を受けて126.5mに終わり、挽回はならなかった。それに対して0.49mの向かい風をもらった伊東は138mの大ジャンプを出し、0.40mの向かい風だった葛西は135mを出し、上位2人を残して2位と3位につけた。
その後は1本目2位だったピオトル・ジラー(ポーランド)が失速したため、41歳になる葛西の最年長表彰台を含む日本人2位、3位の期待も出てきた。しかし最後のセベリン・フロイント(ドイツ)が137mを飛び、その夢は砕かれた。
長い間"次代のエース"と期待された伊東は11-12年シーズンにW杯で4勝をあげて「才能開花か」と期待された。だが昨シーズンは膝を痛めて出後れると、今シーズンも「まだしっくりこない」と迷いのジャンプが続いている。6日の男女混合団体でも1本目は雪が積もった助走路で滑りを狂わせて2番手グループ7位のジャンプに。2本目も、尻が下がっていたのを修正して臨んだが、99.5mとグループ3位で本領を発揮しきれなかった。それでも、横川コーチは「悪条件の中でもいいジャンプをした」と評価していた。
そしてラージヒル個人ではいきなり表彰台と、潜在能力の高さを示した。
「前の2大会に比べると条件がよくてわりと公平な条件の試合だったけど、その中でもラッキーな時に飛ばせてもらえたのが表彰台につながったと思います。でも自分としてはまだ感覚のズレはあるし、イメージとしては6~7割の状態です」
伊東はこう言って苦笑するが、横川コーチはやはり「まだ迷っている段階なのにあそこまで飛べるのは底力があるから。持ち味である飛び出しからの速さも、もう少し噛み合えばもっと速くなるはず」と期待を寄せる。
また横川コーチは、葛西についても「ちょっとタイミングを外しているが、それでもそこそこ距離を飛べるのは素晴らしい」と絶賛。
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