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【スキージャンプ】男子ジャンプ陣も進化中。世界選手権で差した光明 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kishimoto Tsutomu

 結局トップ6からゲートが1段下がり、各選手1m前後の向かい風で得点を伸ばし、竹内は7位で折り返した。横川朝治ヘッドコーチは「択の1本目は素晴らしいジャンプだったけど、トップの選手と飛ぶ順番が離れていて、ちょっと不利な状況で飛んでいた」という。結局追い風となった2本目は98mと合格点のジャンプをしたが、1本目から順位をあげられず2.1点差で入賞ラインの6位を逃したのだ。

「ヨーロッパに来てから少し戻りつつあるが、今日は厳しい条件に対応しきれなかった」と話す伊東も15位に止まった。

 そんな運の無さを嘆いたのが、冒頭の竹内のセリフである。23日の無念を、24日の混合団体で少しは吹き飛ばして、彼らは28日の男子個人ラージヒルに臨んだ。しかし、竹内はアプローチがしっくりいかず、『飛びたい』という意識が先行してしっかり台を踏めず、前に行き過ぎるジャンプになってしまった。結果、1本目が15位で、2本目は17位に順位を落とした。

 一方、伊東は1本目で127.5mを飛び、「今できる最高のジャンプができた」という。3位に3点差の7位とメダル圏内に付けた。そして2本目は、コーチリクエストで21番ゲートから19番に1.2m下げて勝負に出て、127mを飛んだが順位は10位に落ちてしまった。

 この世界選手権でなかなか乗りきれず、僅差の敗戦に苦しんだ日本チーム。しかし、最後(3月2日)のラージヒル団体では、面白い戦いをみせた。

 ここまで個人戦出場を逃していた19歳の清水礼留飛(れるひ)が前日の公式練習でK点超えジャンプを連発してメンバー入り。日の丸飛行隊の1番手を任されると124.5mを飛び3位に付けた。続く葛西は踏み切りで少し前に流れてしまい、122mのジャンプで4位に落ちた。しかし、3番手の伊東は128m。ゲートが1段下がった4番手の竹内も128mを飛んだ。総合順位は5位だったものの、1位のノルウェーには10点差、3位のドイツには6.2点差と、メダルの可能性を残した。

 そうすると、2本目は初出場の清水にプレッシャーが襲いかかった。

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