検索

宮原知子のトップスケーターへの道のり 「涙が出るくらい謙虚に練習する子」が見せたガッツポーズ (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi

【吹っ切れればもっといい演技ができる】

 宮原は翌2015−2016シーズンもいい滑り出しを見せた。課題であるジャンプの回転不足克服に挑みながらのシーズン。GPシリーズのアメリカ大会は得点を伸ばしきれず3位だったが、次のNHK杯はSPで1位発進するとフリーもジャンプのわずかなミスにとどめ、合計を初の200点台となる203.11点に。浅田も抑えてGPシリーズ初優勝を果たした。

「大きな国際大会でのショート1位は今までになかったので大きなチャンスだと思ったし、『ファイナルに行きたい』とフリーは思いきり滑れました。200点台がひとつの目標だったので、少しだけですが超えられたのはうれしいです」

 中国大会優勝の浅田とともに出場したGPファイナルではSP4位発進。フリーではノーミスの滑りで初の140点台となる140.09点を出してエフゲニア・メドベージェワ(ロシア)に次ぐ2位となり、合計も自己最高得点の208.85点にして総合2位に入った。

「最初のジャンプまでは緊張しましたが、『攻めた』というよりはいつもどおりに近い気持ちで滑ったのがよかったと思います」と宮原は語った。

 この大会は3位のラジオノワも201.13点、4位のアシュリー・ワグナー(アメリカ)も199.81点というハイレベルの戦いだった。そのなかでの2位は宮原にとって大きな自信になるものだった。

 その勢いのままに出場した全日本も、「全体的に気持ちよく滑れた」と言うSPで目標にしていた70点台をクリアする73.24点で1位発進すると、フリーは冒頭の3連続ジャンプではミスは出たものの、流れを途絶えさせない滑りで139.59点を獲得。合計212.83点で2位に大差をつけて圧勝した。

「NHK杯とGPファイナルでともにいい演技ができたので、極度に緊張しなければ大きな失敗はしないという自信がつきました」と、宮原は大きな手ごたえを得ていた。

 年明けの四大陸選手権ではSPで公認記録初めての70点台となる72.48点を出すと、フリーもノーミスの滑りで自己ベストの142.43点。合計214.91点とし、2位に20点以上の差をつける圧勝劇を演じた。それでも宮原は「吹っ切れればもっといいものができると思います」と伸びしろを口にしていた。

 世界選手権は合計210.61点を出したが総合5位。223.86点で優勝したメドベージェワに続く2位から5位までは5点弱の差のなかにひしめき合う戦いで、宮原は「来シーズンへ向けてはもっと高い点数を出せるような構成を考えていけたら」と話していた。

2 / 3

キーワード

このページのトップに戻る