宮原知子のトップスケーターへの道のり 「涙が出るくらい謙虚に練習する子」が見せたガッツポーズ (3ページ目)
【大舞台で練習したガッツポーズを披露】
その言葉どおり2016−2017シーズンは、SP冒頭に入れていた3回転ルッツ+3回転トーループを基礎点が1.1倍になる後半に入れ、フリーにも3回転ルッツ+3回転トーループを導入。得点力を高める新たな挑戦に臨んだ。
GPシリーズ2試合はSP、フリーともにジャンプで回転不足が出て200点台には乗せられなかったが、表彰台は死守してGPファイナルに進出。ファイナルでは努力の成果を披露した。
SPではその挑戦の構成をノーミスで滑って自己ベスト更新の74.64点を出すと、フリーも自己ベストの143.69点を獲得。合計218.33点として総合2位と、進化を見せた。宮原にとっては珍しい演技後のガッツポーズについて、「まだ完璧ではないですが、しっかり演技ができたらガッツポーズをしようと思っていました」と照れくさそうに話す。
濱田コーチは「ガッツポーズも練習していました」と苦笑しながらも、「体が小さく同じ滑りをしても外国人選手と比べると見劣りがするので、大きく滑るためにスケーティングの時間をかけていて、今回それができました」と評価した。
その結果に自信を深めた宮原は、「このままの勢いで、もっと自分らしい演技をすることに集中したい」と語り、全日本選手権に臨んだ。「今までで一番いい演技ができるように思いきって滑りました」と話すSPはノーミス。スピンとステップもレベル4の完璧な演技で76.49点を獲得して1位発進した。
フリーは回転不足が2本出る演技となった。「全体的に思いきりがなかった」と言うが、合計214.87点にして、2位の樋口新葉に15点以上の差をつける優勝。浅田以来となる大会3連覇を果たし、確実にステップアップする姿を印象づけた。
<プロフィール>
宮原知子 みやはら・さとこ/1998年、京都府生まれ。アメリカで過ごした幼少期にフィギュアスケートを始め、ジュニア時代には2011年、2012年の全日本ジュニア選手権で2連覇。シニアでは2014〜2017年の全日本選手権で4連覇したほか、2015年世界選手権2位、2016年四大陸選手権優勝など華々しい成績を残す。2018年平昌五輪は4位入賞。2022年に競技引退後は、プロフィギュアスケーターとしてアイスショーに精力的に出演している。
著者プロフィール
折山淑美 (おりやま・としみ)
スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。
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