【フィギュア四大陸・男子】9年ぶりに表彰台を逃した日本勢の課題は心身のタフさ 6位の三浦佳生は「心構えを鍛えたい」 (4ページ目)
【上位2選手に見習うべき心身のタフさ】
一方、2022年大会以来2度目の表彰台の可能性もあった友野は、「ジャンプの感覚もよくなり、体も動くようになった」と意気込んで臨んだ大会だったが、フリーでは前半にミスが出てしまった。
だが、4回転トーループは2回転トーループをつける連続ジャンプとし、4回転サルコウはステップアウトしながらも1.52点の減点にとどめた。そしてトリプルアクセル2本を含む2本のコンビネーションジャンプと単発のジャンプをきっちり決め、スピンとステップもレベル4と取りこぼさない滑りだった。
友野の合計242.08点。チャに逆転されて4位で表彰台は逃したが、フリーの162.24点とも合計得点は、自身のシーズンベストという結果だった。
合計234.93点で5位になった壷井達也は、代表に選出されている世界選手権へ向け、力試しの大会だったが、「いつもより緊張していて、大会までのスタミナが長く続かなかったように感じます」と、初の大舞台の厳しさを味わった。
優勝したシャイドロフと2位のチャは、冬季アジア大会から中6日での連戦。中国から韓国と時差がほぼないとはいえ、体と精神のタフさは見習わなくてはいけないものはあるだろう。9年ぶりに表彰台を逃した以上に、それが日本勢の課題となってくるはずだ。
著者プロフィール
折山淑美 (おりやま・としみ)
スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。
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