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【フィギュア四大陸・男子】9年ぶりに表彰台を逃した日本勢の課題は心身のタフさ 6位の三浦佳生は「心構えを鍛えたい」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi

【ケガを抱えながら挑んだ三浦佳生】

 今季初戦のGPシリーズ・スケートアメリカでは278.67点を出していた三浦。昨年12月の全日本選手権は8位に終わって世界選手権代表は逃したが、復調も期待されて四大陸代表には選出された。だが、全日本のあとに左太もも肉離れを再発して1月の冬季ワールドユニバーシティゲームズを欠場した。

 三浦は今回の四大陸について「ケガしたところは痛くないとはいえ、ジャンプの練習も(大会の)1週間前からだし、足の筋肉量も落ちて細くなっているので、まずは慎重にやりながら頑張りたいです」と状況を説明。出場の目標は「来季へ向けて世界ランキングポイントを少しでも多く獲得しておきたい」というものだった。

 しかし、やはり左足に大きく負担がかかるトーループを跳べないのは痛かった。SPでは、4回転はサルコウだけにして、後半に3回転フリップ+3回転ループを入れて得点を稼ぐ構成。最初の4回転サルコウは「6分間練習ではいい練習ができていなかったから、着氷できたときには少し驚きました」と言うように、軸が斜めになったがなんとか耐えた。

 次のトリプルアクセルはしっかりと決め、キャメルスピンも勢いのある滑りで立て直したように見えたが、後半の連続ジャンプは3回転フリップで着氷を少し乱し、余裕がない状態で付けた3回転ループはダウングレードで転倒。78.80点の5位発進となってしまった。

 それでもSP3位の友野と4位のチャとはそれぞれ1.04点差と0.44点差で、2位のジミー・マ(アメリカ)とも4.12点差。三浦は、フリーの4回転をサルコウ2本にする予定だったが、ノーミスなら表彰台圏内まで盛り返せる得点差だった。

 試合前は、「ケガもあるので高い結果は望めないと思います」と話し、SP後もフリーに向けて「試合を楽しみながらいい演技ができればいい」と話していただけに、リラックスした気持ちで臨めば表彰台の可能性もあるように思えた。

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