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ジュニアGPファイナル3連覇の島田麻央「感情をコントロールするのが難しかった」偉業達成も課題を残す (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi

【全日本選手権は強気で挑む】

 結局、フリーの得点は125.74点。合計は199.46点。国際スケート連盟公認のジュニア大会では初めて200点に届かない得点での優勝に笑顔はなかった。

「もう少しいい結果を出せると思っていましたが、どれだけ一生懸命に練習をしてきたかというのを見せられなかった気がします。昨年のGPファイナルは、一つ前の試合でミスしたところを引きずってしまいましたが、今回はミスしてしまっていたジャンプを引きずらずに決められたことが、成長できたところではないかなと思います。

 でも、感情をコントロールするのが難しかった。もちろん、ジャンプや表現力、技術力も課題だけど、今大きな課題にしているところは、本番でしっかりと練習どおりの演技ができるメンタル面。そこをもっと強くしていけたらいいなと思います」

 島田が次に向かうのは、シニアとの戦いになる全日本選手権(12月19〜22日)だ。その大会へ向けて島田は力強くこう話した。

「全日本という舞台は挑戦者として挑むので、まずはショートでトリプルアクセルに絶対に挑戦したいと思っている。フリーもジュニアのプログラムと同様にトリプルアクセルと4回転トーループを入れる構成には挑戦し続けたいです。挑戦してしっかり決めきることが目標です」

 SP、フリーともにノーミスの演技ができれば、世界選手権3連覇中の坂本花織とも優勝争いを繰り広げることができる。ジュニアGPファイナルで優勝したとはいえ悔しさを味わった島田にとって、全日本選手権で納得できる戦いをすることこそが、年明けの世界ジュニア選手権3連覇へ大きな原動力になるはずだ。

著者プロフィール

  • 折山淑美

    折山淑美 (おりやま・としみ)

    スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。

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