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羽生結弦「運命は本当にすごくもろくて」 新単独ショー『エコーズ・オブ・ライフ』で表現する哲学

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【命をテーマに新たな挑戦】

 羽生結弦が手掛けるアイスショーの全国ツアー『ECHOES OF LIFE(エコーズ・オブ・ライフ』が、自身の30歳の誕生日である12月7日、さいたまスーパーアリーナで開幕した。

12月7日、『ECHOES OF LIFE』に出演した羽生結弦12月7日、『ECHOES OF LIFE』に出演した羽生結弦この記事に関連する写真を見る

 ショーは「命」と「生きること」がテーマのストーリー。羽生はこう説明する。

「もともと自分は小さい頃から生命倫理をいろいろ考えたり、大学で履修したりしていく中で、『生きる』ということの哲学についてすごく興味を持っていました。そこからずっと自分の中でぐるぐるとしていた思考であったり、理論であったり、そういったものを勉強し直して、皆さんの中にも、この世の中だからこそ生きるということについての、皆さんなりの答えが出せるような、哲学ができるような公演にしたいと思って『エコーズ・オブ・ライフ』を綴りました」

 ほぼ新作ばかりの演目の構成で綴る物語は、これまでの2回のショーをさらに進化させた形だ。

「30歳というと自分の中では、"フィギュアスケート年齢"としては、劣化していくんだろうなという漠然としたイメージがあったんですけど、たとえば、野球やサッカーなどに置き換えて考えてみたら、これからやっと経験や感覚、技術などに脂が乗ってくる時期だと思うので。本当に自分自身の未来に希望を持って、絶対にチャンスをつかむんだという気持ちを常に持ちながら、練習にもトレーニングにも、本番にも臨みたいなと思います」

 羽生がそう口にするように、新たな挑戦を見せてくれた。

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著者プロフィール

  • 折山淑美

    折山淑美 (おりやま・としみ)

    スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。

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