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坂本花織はタンゴで表現を磨く「一番直さないといけないのは...」 千葉百音、島田麻央も新曲で躍動 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【指先からエネルギーが出るような表現】

 今回の坂本の滑りで思い出したのは、1週間前まで開催されていた『ファンタジー・オン・アイス』で見せていた、新エキシビションプログラムの『Poison』だった。

 イギリス出身のシンガーソングライター、フレイヤ・ライディングスの気だるい雰囲気のボーカル。その曲の雰囲気をそのまま表現するような、全身を使う振り付けと大きな滑り。醸し出す雰囲気と迫力さえ感じさせる心象風景の描写。これまでエキシビションナンバーといえば元気さを前面に出していた坂本花織だが、新たな一面を見せたとも言える、ひと皮むけた演技だと感じられた。

 そして新SPも、それと同じような雰囲気を感じさせるプログラムだった。

「今までのエキシビションでやってきたのはタンゴとはいえど、"それ風"のタンゴみたいな感じでした。でも、このショートに関しては指先だったり視線だったり、顔の使い方などの細かい表現の仕方を重点的に振り付けてもらったので、今までのタンゴとはひと味違うのではないかなと思います。

 今年のショートではより表現に力を入れていきたいなと思っていて。私にはよくあることだけど、ジャンプに集中してしまうと他の振り付けをちょっと忘れてしまったりする。

 そのなかでも本当に一番直さないといけないと思うのは、大まかな振り付けのところ。細かな振りが続いているところの手は動いているけど、『手を前に出して』などの大まかなところでは手が死んでしまう。

 だから今年は、2分50秒間ずっと、指先からエネルギーが出るような表現ができたらいいなと思っています。ただただ動いているだけではなくて、細かいところに気をつけてやっていきたいです」

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