「りくりゅうは一体感のレベルが違う!」高橋成美と『ツーオンアイス』逸茂エルクが語り合うペアの見どころ (2ページ目)

  • 山本夢子●取材・文 text by Yamamoto Yumeko

【日本の武器はサイドバイサイド】

ーー日本ペアの強みは?

高橋 技術的にはやっぱり「サイドバイサイド」のジャンプが日本ペアの武器になるんじゃないかなって。これから日本ペアのカラーになってくると思います。「りくりゅう」ペアから始まり、「ゆなすみ」も「さえルカ」もジャンプが強くて。ペア技って時間をかければかけるほど確実に上達していくんですけど、「サイドバイサイド」はそういうわけにはいかない。だから、今の日本のペアはポテンシャルが高いんです。これからどんどん確実に順位を上げてくる。

「さえルカ」はジャンプが圧倒的に強くて、ルーカスが意外とペアボーイとして魅せるスケートができている。すごく表現力が豊かな若いペアだなって思います。「ゆなすみ」はやっぱり澄士くんの安定感。それを信頼しているから柚奈ちゃんも思いきっていける。「りくりゅう」がペアを組み始めた頃を彷彿とさせるような勢いを持っているし、インタビューでもお互い似たようなコメントをしていてコミュニケーションもとれているのかなって見ています。

「りくりゅう」ペアは他の世界のペアと比べても一体感のレベルが違う! 圧倒的にふたりでひとつというか、バラバラなところを見つけるのが難しいくらい。あと、スピードがすごく速い! スピードがあるなかでの技はすごく難しいし危険も伴うんですけど、それを安全にやってのけるのは普段からしっかり練習できているから。もちろん笑顔は、私も感じています。

ペア競技の魅力を語った高橋さん 写真/事務所提供ペア競技の魅力を語った高橋さん 写真/事務所提供ーー海外の選手で注目しているペアはいますか?

逸茂 イタリアのサラ・コンティ&ニッコロ・マチーが印象に残っています。すごく優しくソフトなイメージで。また生で見たいなと思っています。

高橋 イタリアは彼らの他にも1組強いペアがいて、切磋琢磨してうまくなっていますよね。私はやっぱり四大陸選手権で優勝した、カナダのディアナ・ステラート・デュデク&マキシム・デシャンですね。彼らは今季、「りくりゅう」が休養前に出場したオータムクラシックや今年2月の四大陸選手権でも優勝していています。世界選手権では一番のライバルになるんじゃないかなと思っています。あと、今季世界ジュニアで優勝したジョージアのアナスタシア・メテルキナ&ルカ・ベルラワはシニアの世界選手権にも出るんですけど、勢いに乗っていい成績が出るんじゃないかなと注目しています。

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