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坂本花織が成長する世界の若手を迎え撃つ フィギュアスケートGPシリーズ女子展望 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【坂本花織は順調な仕上がり】

 次のスケートカナダ(10月27〜29日)には坂本が出場。9月のオータムクラシックではSPで好発進ながら、フリーは後半にミスを重ねていたが、ジャパンオープンはフリーを修正し、ノーミスの滑りで149.59点を獲得している。

 さらに翌週の全兵庫選手権はは222.39点でで優勝と、昨季に比べて仕上がりの早さを見せている。体調さえ合わせられれば、合計230点前後の発進になるだろう。

 日本勢は他に、昨季スケートカナダ優勝の渡辺倫果(21歳/TOKIOインカミラ・法政大)と松生理乃(19歳/中京大)が出場するが、渡辺は10月のフィンランディア杯で2位に入ったものの合計180.36点と出だしはよくない。GPシリーズはこの1試合だけで存在感を見せたい松生も、9月の中部選手権はSP、フリーともにミスが出て合計187.44点と伸び悩んでいる。

 そんな状況で坂本に続く可能性があるのは、ロンバルディア杯3位、オンドレイネペラメモリアルで200点台に乗せて優勝したキム・チェヨン(16歳/韓国)だろう。ジャンプは細かいミスもあるが、スピンとステップはすべてレベル4と取りこぼさない安定感がある。今季は210点台まで伸ばしてきそうな気配がある。

 アメリカ勢では2022年世界ジュニア3位のリンジー・ソーングレン(17歳/アメリカ)も注目の選手。シニア移行の昨季は結果を残せなかったが、今年8月のクランベリーカップで優勝。ジャンプの細かいミスを修正すれば、200点台に乗せる可能性大だ。渡辺も松生も本領発揮なら届かない得点ではないだけに、し烈な表彰台争いになる。

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