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女王・坂本花織をしのいで優勝の吉田陽菜、20カ月ぶりに復帰した白岩優奈ら女子フィギュアスケートは百花繚乱 (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Kyodo News

【河辺愛菜に期待されるオリンピアンの意地】

 北京五輪シーズン、シニア2年目だった河辺愛菜(中京大/18歳)は、破竹の勢いを見せた。五輪出場の栄誉を獲得。全日本選手権のショートプログラム(SP)で唯一決めたトリプルアクセルは劇的で、強い運も感じさせた。

 2022−2023シーズンは成績的に雌伏(しふく)の時を過ごしたが、今シーズン、気持ちは前に向いている。

「前は緊張して、ジャンプのことしか考えられませんでした。でも、楽しむ余裕が少し出てきたかなと。そこは1年を通じて、成長できたかなって思っています」

 河辺はSP直後、汗を拭いながら言った。64.23点で5位。フリーの最終グループに入った。

「(トリプル)アクセルは練習も増やしているので、演技全体のバランスを崩さないように入れたいなと。去年よりは感覚をつかめているので、今シーズンはアクセルを入れるぞって感じでいけたらと思います」

 フリーは低調でループ、サルコウのミスは出たが、涙を指先でぬぐいながら声を振り絞り出した。立ち止まることはない。

「6分間練習からよくなくて。自分の足で滑っている感じがしませんでした。浮いている感じ。なんでこんなことになったのか。考えて練習に取り組んでいきたいです」

 オリンピアンとして、底力を見せる。

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