高橋大輔が語るかなだいの新プログラムに込めた想い「新しい展開も見守ってもらえるように」

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 坂本 清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

【かなだいの世界に熱狂】

 8月24日、横浜。25〜28日開催のアイスショー『フレンズ・オン・アイス』の公開リハーサルが行なわれ、"かなだい"と呼ばれる村元哉中、高橋大輔のふたりはプロ転向後、初となる新プログラム『Birds, Makeba』をお披露目している。

『フレンズ・オン・アイス』の公開リハーサルに登場した村元哉中と高橋大輔『フレンズ・オン・アイス』の公開リハーサルに登場した村元哉中と高橋大輔この記事に関連する写真を見る ふたりは一瞬で、「かなだいの世界」に引き込んだ。

 リンクに響く蠱惑(こわく)的なボーカルに合わせ、ふたりが艶やかに体を動かすと、不思議な空間をつくり出す。それぞれ体の身のこなしが美しく、どこを活写してもさまになるからだろう。リンク内の特設席で観覧しているファンに近づくと、自然と嬌(きょう)声が上がった。湧き起った熱狂のなか、ソロジャンプ、ツイズル、リフトを次々に成功させていった。

 そして後半、曲が変わる。

 原始的というか、アフリカの大地を匂わせ、野性というか、心のままに、という空気をつくる。ふたりが感性のままに絡み合うと、溶け合うようだった。それは音楽や表現力、あるいは趣向を凝らし照明だけでなく、衣装の演出もあったかもしれない。

 ふたりのシャツ、パンツはアフリカの部族が用いるようなデザインがあしらわれていたが、じつによく似合っていた。

 そして最後、かなだいらしい自由闊達な大団円だった。

1 / 3

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

フォトギャラリーを見る

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る