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女王・坂本花織、新プログラムはギリギリの追い込み「夏休みの宿題みたい」 (4ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Kyodo News

●狙うは全日本選手権3連覇・世界選手権3連覇

 一昨年のインタビュー、坂本の答えは啓示的だった。

「自分のなかで、(2018年)平昌五輪が終わった時に4年後はいけるって思ったんです。オリンピックに限らず、初めての試合、たとえばジュニアグランプリ(GP)シリーズ、世界ジュニア、(シニアの)GPシリーズとか、一発目はその時の精一杯をやっても順位は低いんです。でも2回目って、1回目の経験が活かされるのか、自信を持って滑ることができるんです」

 その言葉どおり、2022年北京五輪で坂本は泰然自若のスケーティングで団体、シングルと輝くメダルを勝ち獲っている。その余勢を駆って、自身3度目出場の世界選手権で優勝。そして昨シーズンは2年連続の女王に輝いた。

「今シーズンは、全日本3連覇、世界3連覇が目標です。次は(9月の)オータムクラシック。一つひとつを糧にして、先に進めたらと思います」

 大会後、彼女はそう明言している。少しの衒(てら)いもなく、突き進むだろう。女王の進軍が始まる。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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