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坂本花織「ロシアの選手が帰ってきても堂々と表彰台に立てるように」 今季最後の演技は悔しいミスも「プラスになる」 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

●ロシア勢がいても表彰台に立てるように

 さらに、「今季は不在だったロシア勢が復帰してきたら?」との質問に坂本はこう答えた。

「ロシアの選手が出てなかったから、スケートアメリカやNHK杯では調子が悪くても表彰台に上がれてしまったなというのが今シーズンの結果でもあるので。

 やっぱり言っちゃえば甘えでもあるし、いないから表彰台に立てたというのもやっぱりどこかにあるので。

 彼女たちが帰ってきても堂々と表彰台に立てるくらいのレベルまで、もっともっと安定感も出していかなければいけないし、若い子たちには負けないぞという勢いで頑張りたいと思います」

 全日本選手権、世界選手権をともに連覇するという文句なしの成績を残した今季。その勢いをそのまま出せるかと思われていた国別対抗戦では、今季後半に一気に演技を充実させてきたイにSP、フリーともに得点が及ばなかった。

 だが、坂本にとってはよかったことかもしれない。自分ひとりではなく、一緒に世界を引っ張っていくライバルが出現したからだ。

「今回はショート、フリーの両方ともやりきれなかったのが一番悔しいですね。でも最後の試合でこうなったのはプラスになったというか。

 ここで終わってはいけないんだぞというのを、自分自身に教えられたのではないかと思うので。この悔しさを来シーズンにつなげられるようにしたいなと思います」

 苦しい時期を経験し、全日本選手権以降はその苦しみを糧にする充実期を経験。そして、最後はちょっとだけ悔しさを味わった。坂本にとっては、これからの大きな財産になる経験でもあっただろう。

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著者プロフィール

  • 折山淑美

    折山淑美 (おりやま・としみ)

    スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。

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