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坂本花織「ロシアの選手が帰ってきても堂々と表彰台に立てるように」 今季最後の演技は悔しいミスも「プラスになる」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

●悔しいミスも「挑めてよかった」

 それでも坂本はシーズン最後の4月14日のフリーへ意識を切り替えた。

 SPで7位に沈んでいた四大陸選手権2位のキム・イェリム(韓国)が回転不足ひとつだけに抑える滑りで、自己最高の143.59点を出したあとの演技だった。

 坂本は前日と同様に少し重くキレはなかったが、丁寧な滑りで最初のダブルアクセルから3回転ルッツ、3回転サルコウを着実に決めて加点を稼ぐジャンプにする。

 コンビネーションスピンもレベル4にし、そのあとの3回転フリップ+2回転トーループも確実に決めた。そのあとのステップシークエンスは普段よりスピードのない滑りになったが、3回転フリップ+3回転トーループはしっかり決めて観客席からは大きな歓声を誘う。

 そのままノーミスの滑りをするかに思えた。だが、3連続ジャンプの予定だったダブルアクセルに3回転トーループをつけたところで転倒。コレオシークエンスのあとの3回転ループは失敗を引きずることなくきれいに決めた。

 得点は145.75点としたが、SPに続いてミスが出る悔しい結果になった。

「アクセルは軸がすごくゆがんでしまったけど、それでもショートの3・3の時よりも3回転をつけられる可能性があったので、ここはもう一か八かでいくしかない、という覚悟で跳びました。

 無理をしないでまとめるという方法もあったけど、あそこで挑めたのはショートと同様によかったなと思います。

 結局、転倒の減点と3連続にできなくて2回転トーループをつけられなかった点数の差が出てしまったけど、それがあっても145点が出たのはうれしいし、今までの自分のおかげかなと思います」

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