三原舞依「ここにいられて幸せだなって」 最多13試合を終えて坂本花織と流した感謝の涙

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

世界国別対抗戦女子フリー後に笑顔を見せる三原舞依世界国別対抗戦女子フリー後に笑顔を見せる三原舞依この記事に関連する写真を見る

●坂本花織と流した涙

 2022−2023シーズン最後となるフィギュアスケートの世界国別対抗戦、演技が終わった三原舞依(23歳、シスメックス)は、テレビのインタビューを同門の坂本花織と受けながら、一緒に涙を流していた。

「(三原)舞依ちゃんが泣いちゃうのを見て、私も涙腺弱いんで、もらい泣きしました」

 事情を説明したのは、坂本だった。

「舞依ちゃんは今シーズン、どの選手よりもたくさんの試合を積んできて、頑張ってきた成果がしっかり結果にも表れて、それを私は身近に感じられてうれしくて。

 舞依ちゃんは自分のことだけじゃなくて、私のことも気にかけてくれて、ダメだった時も、いつも優しい言葉をかけてくれるので、そういう存在が身近にいるのは幸せって思います、と話をしていたら、舞依ちゃんが......」

 三原という選手の本性を映し出すのは、こうした盟友の言葉なのかもしれない。

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プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。

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