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NHK杯連覇の坂本花織に迷いなし。大技はなくても「自分を超える演技ができる」 (3ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 能登直●写真 photo by Noto Sunao(a presto)

 相性が抜群にいい2人が作り上げたプログラムは、毎シーズン、相乗効果を生んでおり、坂本は名実ともに世界のトップで戦えるスケーターになったと言えるだろう。北京五輪シーズンの今季も、坂本の魅力を新たに引き出すような新プログラムのSP『Now We Are Free』とフリー『No More Fight Left in Me/Tris』が出来上がった。

「フリーはすごくメッセージ性が強い曲になっていて、いままでそういう曲をやったことがなかったので、正直、どう表現すればいいか苦労したし、いまもちょっと難しいと思っているんですけど、女性の強さや内に秘めている強い部分を、演技を通して感じ取ってもらえたらいいなと思っています。

 夏頃はこのフリーをやれるかどうか迷いがあったんですけど、滑りこなしていくと覚悟を決めてからは、いい方向に進めていると思います」

 今後の課題は、3回転ルッツでエッジ不明瞭の「アテンション」が付いてしまうことと、SPのステップでレベル4が取れていないこと。ジャンプのGOEを1点台後半にさらにアップさせることになる。ノーミスの演技はできるが、完璧な滑りまではできていない。細かい部分の修正が必要なことは坂本自身もわかっていて、次の試合である12月のGPファイナルまで、しっかりと練習で詰めてくるはずだ。

「まだまだSPもフリーも取りこぼしがあるし、回転不足もルッツのエッジ不明瞭もあったので、そこを修正していけば、まだまだ(得点は)更新し続けられるんじゃないかなと思います。ファイナルでは、今回(NHK杯)の点数以上のものをできるようにしたいなと思っています」

 やる気も自信もみなぎっている坂本に期待したいところだ。

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