三原舞依の人柄がスケーティングを形作る。正念場で見せる渾身の演技 (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 坂本 清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

 三原は朗らかでひたむきで、周りを輝かせるような人柄なのだろう。人への敬意が、見えない行動に出る。それが、彼女が周りに好かれる理由になっていて、それを自ら肌で感じ取って感謝できるからこそ、正念場で渾身を見せられるのかもしれない。

「来シーズンに向けては、しっかりと練習を積むことと、積めるだけの体力をつけることですね。(復帰後は)だいぶ体力は戻ってきたんですが、疲れが取れにくい体になっているので。動かして体を作って、出だしから押していけるような力強いスケーティングを見せたいです」

 三原はそう言って自分と向き合っていた。

 2020ー21シーズンを通し、その歩みは着実だった。そして2021ー22シーズンは、北京五輪も待つ。熾烈な競争に名乗りを上げるまで、力は戻ってきた。勝負のプログラムは、SPは変更が決定的だが、フリーは「どこを切り取っても好き。まだ完璧ではない」と継続もあるという。

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